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メンズミーティング
第2章 謀略兵 ハイジ

傷口に舌を充て、味わうは錆びた鉄の味。
僕はそれを手の甲で拭いながらゆっくり顔を上げ、怪訝な表情を浮かべる二人を見上げた。


「ブライトはレノちゃんがうなされて目覚める度になだめに行ってたけど……真の目的は彼女の寝顔見ながらの"一人遊び"だったよね」
「!」

「ナノもスカしてんじゃないよ。お前も彼女が意識無い間、何してたのかな」
「ハイジさん…!」


本当にこの二人はわかりやすい。

必死に平静装ってるけど
元々は怖がりの愛されたがり。

疲れも恐れも、とうに限界を越えている。

「僕も一緒。僕ら同じ穴の狢なんだよ」

あのね、ブライト。ナノ。

兵士である前に人間でさ、
何より男なんだよ、君ら。

自分にはない柔らかさに包まれて
すべてを満たされたいはずなのさ。

君らは虚勢張って自分を奮い立たす
早い話がええ格好しい君なんだから

誰かが悪者になってあげてさ
言い訳を作ってあげないとね。


もちろん、僕がやりますよ。ええ。

こちとら、憎まれてナンボの謀略兵。
大丈夫。恨みを買うのは慣れっこだ。

それに、部隊が結成された時点で
僕らは運命共同体。

あんた達は僕からしたら
唯一無二の存在なんだよ。


「彼女のためでもあるんだよ。"生きる理由"を与えてあげられる」
「………」


二人の沈黙の理由は確かめるまでもなかった。


──この翌日だよ、レノちゃん。
僕があの言葉を君に告げたのは。


僕たちには君が必要だったんだ。
今思えば、運命だったのかもね。


「君、45部隊専属の娼婦にならない?」
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