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メンズミーティング
第14章 彼女から見た彼女。2
『おまえはいらない』
まっすぐあたしを見たその眼は
そう言っていた。
あたしが彼にしたことが
そのまま返ってきた瞬間だった。
──わかってる、わかってるの。
あたしは傷つく資格がない。
全て自分が蒔いた種だって。
悪いのは全部あたしだって。
すべてをぶち壊したのは
あたし自身なんだって
もう戻れないんだって
彼の『好き』という感情は
今まさに彼の腕の中にいる
その女のものになったって
わかってる…
だからこんな気持ちも
本当は抱いてはいけない。
でも押さえられないのよ。
だってそいつは、今のあたしが欲しいもの
みんな持っているんだもの。
居場所も、愛情も、…彼も。
未結。
確かに彼女は可愛い。
無邪気な中に色気が垣間見得るところも
男には堪らないんだろう。
でもあたしにはわかる。
おとなしそうで、従順そうで。それでも
美味しいところはちゃっかり持っていく。
こいつはきっとそういう女だ。
──それでも、彼女は愛されてる。
──そう、あの頃のあたしみたく。
それにね、ほら。麗くん。
あなた絶対に気付いてないでしょう?
あなたが胸に抱き締めているその女。
『この男はわたしのもの』
一瞬だけあたしを見上げた瞳はね、
深い闇を宿してそう言ってたのよ。
「未結」
ああ。ねぇほら、麗くん。あなたのその瞳。
大好きなものを見ている時だけの優しい瞳。
それは、あたしのものだったのに。
───ああ、未結、未結!!
あたしはあんたが大っ嫌いよ。