この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
メンズミーティング
第15章 部隊長 ブライト if.
あれから時は矢のように経ち。
季節は冬を迎えていた。
私はもう部隊長ではない。
否、もう兵士ですらない。
王子を捕らえたこと。
その『功績』を最後に軍を去り
生業であった聖職に戻ったのだ。
生家がある王都の中心から
少し離れた場所に位置する教会。
そこが今の居場所。朝から晩まで職務にあたり
部隊長であったとき同様、多忙な毎日を送っている。
兵士であった時とは真逆の日々。
心身共に穏やかでいる時が増えた。
…己を傷つけることもなくなった。
──無論それは、彼女の存在に拠るところが大きい。
「失礼します…」
そろそろ日付が変わろうとする時刻。
彼女が私の書斎を訪ねてきた。
手には、紅茶が入ったカップを乗せたトレイ。
彼女はいつでも私を気遣い慈しんでくれる。
穏やかな春も、暑さ厳しい夏も、肌寒くなる秋も越え。
季節は冬…そう、もうじきクリスマスを迎える。