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メンズミーティング
第15章 部隊長 ブライト if.
「知ってるか。サンタは9時までに寝ないと来ないんだ」
招き入れた彼女を膝に乗せ、抱き寄せながら言う。
職業柄、この時期は特に多忙を極める。それは彼女も理解している。労いは嬉しいが、彼女の体に障るのは望む処ではない。
もうじき日付も変わる時刻。
夜更かしは今の彼女には大敵のはずなのだ。
『早く寝なさい』そんな意味が込められたこの言葉に
彼女は一瞬だけ目を丸くしたあと、可愛らしく笑った。
少しふっくらした…とはいえまだまだ華奢な体を抱く。
そしてその腹に私は自分の手を触れさせ告げるのだ。
「子にも障る」
そう、彼女のなかにはいま、新しい命が宿っている。
触れた先から伝わるは温もり。そして…穏やかな鼓動。
それは小さく儚く弱く、それでも確かに存在している。
そしてそれは私が抱く幸福感も、期待も……不安も、葛藤も。全てを包み込んでくれるような、力強いもの。
「レノ」
改めて思わせてくれるのだ。「愛している」と。
そして──私は、彼女『たち』と、生きていきたいと。