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メンズミーティング
第16章 永遠の檻
「………」
鎖を敷布に放り捨て、身を屈める。
視線の先にはレノ『だった』もの。
涎と舌をだらしなく垂らした口。
瞳孔が開ききった、薄緑色の瞳。
それらを一瞥した後、俺は目を閉じた。
そして───唱えた。
「───ひッ?!」
「気分はどうだ?レノ」
時間にしたら、3秒程経った頃か。
陸に打ち上げられた魚のように、レノの全身が跳ねた。
──蘇生術。
一度身体から離れた魂を、冥土に逝く前に引き戻す呪術。
対象者は今際の際の感覚と情景をまざまざと思い出し、
計り知れない恐怖を味わうという。それを施したのだ。
「っ…、ぁ…、あ…あぁ…っ」
案の定、レノはガタガタと震え出した。
肩越しに向いた薄緑色の瞳。
恐怖で塗られたその真ん中に、俺が映る。
俺はそれを見て口角を上げ、呟いた。
「──飼ってやる」
死すら解放にはならない、永遠の檻。
レノ
お前は永遠に俺のものだ。