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メンズミーティング
第17章 哀れなボンクラに慰めを。
「…悪かったな、麗」
斎場から少し離れたコインパーキング。そこの一番奥に停められた車の中。流星は待っていた。
「金、振り込んどいたし」
「、ああ…うん」
助手席に乗り込んだ傍からの報告。少し呆けていたせいで反応を鈍くしつつ、確認するため携帯に目を落とした。そこに更にかけられる野郎の声。──震えてた。
「幸、どうだった?」
──そう、これなんだよ。流星が俺を葬儀に行かせたかった理由。彼女の姿は如何なるものだったか。これを確かめたかったからだ。
約束してたんだって。『最期までそばにいる』って。
叶えることは叶わなかったけど。
「……」
脳裏に浮かんだのは、供花の際目の当たりにした彼女の顔。
痛みと恐怖に苛まれながら、来ない理由を知らされることなく、ただただ流星を待ち侘び、独り逝っただろう彼女の顔。
『今日行けない』…夕方会う予定だった相手にはそうL1NEした。鬼の勢いできた抗議も着信も無視。通知も切った。
「…流星」
お前、俺が辛かった時言ってくれたのにな。
『ぼくはれいくんがいてうれしいよ』って。
どれだけ救われたか。
なのに、これくらいしか言えなくてごめんな。
「彼女、眠ってるみたいだったよ」