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メンズミーティング
第21章 ここまでバカとは思わなかった。
「ハメ撮りってなんですか?」
大きな瞳を興味津々一色で染め、未結は俺を見上げた。
────────────☙
「何言ってるの?」
素で聞いちゃったよ。いやホントに。
かわいい顔で何言い出すの。何かのカマかけかな?
…いや、この子ボンクラの誕生日(7月21日)の語呂合わせも分からなかったくらいだし、きっとこれも本当に知らないんだろうなぁ…
案の定、今日の昼間立ち読みした雑誌から聞き齧ってきたらしい。…そんないかがわしいの読まないの。
変にはぐらかして妄想を膨らませられても困るので、ここは正直に教えてあげる。
「セックスしてるのを撮影することだよ」
当人同士で。…と、言い終わる前に未結は顔を真っ赤にして騒ぎ出した。…やっぱり知らなかったんだね。
かわいいなぁ、かわいい。この子、何でこんなにかわいいんだろう。天真爛漫で、嘘がつけなくて、でもちょっと間抜けで。今みたく表情もくるくる変わって見てて楽しいし、飽きない。
いつになったら、俺だけのものになるのかな…
──なんて、うっかりトリップしかけたら。未結が聞いてきた。「やったことあるのか」って。
…あるわけないでしょ、未結ちゃん。写真も動画も、撮られるのは大嫌いなんだから。
ましてハメ撮り。商売ならともかく、素人間でそんなヤバいもの、撮る方も撮らせる方もどうかしてるよ。
って言おうとした直前、思い出した。
天真爛漫で、嘘がつけなくて、ちょっと間抜け。かわいくてたまらないこの子は──やきもち妬きだってこと。
……。
「あるよ」
ごめんね、初めて『君に』嘘ついた。
だって未結のね、表情にも、「まだ持ってるのか」って聞いてくる声にも滲む、『独占欲』。それを俺だけに向けてくれるのが、嬉しくて仕方ないんだよ。
──欲が出た。もっとほしい。
「消したし消させた」って答えたあと、駄目押しで言っちゃった。「二人だけの秘密だもん」って。
大きな瞳を衝撃の一色で染め、未結は俺を見上げた。
予想通りの反応が拝めて、俺的には満足したんだけど。
…未結の独占欲の強さ、甘く見てた。──ていうか
「わたしとも撮ってください!!」
ここまでバカとは思わなかった。