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メンズミーティング
第23章 れいちぇり。
『───だから、ごめんね。千衿』
「だめ!約束したでしょ?絶対だめ!!」
──こんなやり取りが、スマホ越しに、かれこれ10分以上は繰り返されている。
相手は付き合って半年になる彼氏、麗くん。
彼はみんなに自慢できる整った外見で、あたしより3歳下なのに、いつでも冷静で理知的で、大好きで……多忙だ。
デートもお泊まりも電話も満足にできないし、L1NEすらも、既読スルーされることが多い。
…その分の埋め合わせは、会えた時に充分すぎる程してくれるけど(だから許しちゃうのよね)。
今だって、言い争いの原因は、彼からのドタキャン。前々から約束してた、今夜の予定。急な仕事が入ったから行けない…なんて、納得できない!
「こっちが先約でしょ?!信じらんない!!」
『うん、そうだね。ごめんね』
「妹たちだって、楽しみにしてるんだよ?!」
あたしは、三姉妹の長女。今夜は妹たちと、あたしと彼の四人で、ご飯に行く予定だった。
妹たちが彼に会うのは初めて。彼の写真を見せてから『会わせろ会わせろ』うるさかった。だから今夜、見せ付けてやれるのを楽しみにしてたのに!!
『ちえ、ごめんね。やっぱり行けない。でも』
「〰〰もういい!!麗くんなんて大っ嫌い!!」
先に痺れを切らしたのはあたし。吐き捨てるように叫んだあと、まだ何か言いたげだった彼を無視し、通話を切った。