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メンズミーティング
第23章 れいちぇり。
「お姉おつかれー」
集合場所にしてた駅の南口には、上の妹の衿華(えりか)がいた。
「彼氏、今日来れないんでしょ?お姉も"来れない"かと思った」
「〰うるさいなぁ!」
この子は士師業で、姉妹の中じゃ一番優秀。だけど…一言多い(ちなみに「彼に会わせろ」とうるさかったのはこの子)。ニヤついてる顔も微妙に腹立つ。
いいでしょ、別に。憂さ晴らしにせめて美味しいもの食べさせてよ。言っとくけど、脳内彼氏じゃないからね!
「えりさは?」
「L1NE見てない?少し遅れ…って、…ちょっと、お姉!」
まだ来ていない下の妹のことを聞いたら、衿華の表情が驚き一色に変わった。
その視線はあたしの背後。なに?不審に思い振り向いたら…今度はあたしが驚く番だった。
「麗くん…?!」
──────────
「電話、切られちゃったから」
現れた、この場に来るはずない彼が言うには。
食事には参加出来ないけど、せっかく時間を作ってくれた妹たちに、お詫びと…挨拶だけでもしたかった、らしい。『お姉さんとお付き合いさせて貰っています』って。
「あー…ど、ども、わた、私、妹の…」
いろんな意味で写真以上の彼に圧倒されて、しどろもどろで間抜け面晒してる衿華。
──そうそう、あたしはその顔が見たかったの!!
「じゃあ、ちえ。ごめんね、行くね」
「あ…、えぇ、ありが… …!」
「また連絡するね。楽しんで」
去り際、おでこにキスをされた。
衿華の真ん前で、見せ付けるみたいに。
……ほんと、こういうところ、上手。