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BeLoved.【蜜月記】
第12章 敵は××にアリ?!
おかしい。絶対におかしい。
揃いも揃って、あんな変な位置にあんな青アザがあるなんて、どう考えても、おかしい!
ある意味雇用主のプライベート(?)に、踏み込み過ぎな気がしないでもないけど…身体に関わることは別!
『大したことない』と言い捨てられても、どうしても納得できなかったわたしは。真実を明らかにすることにしたのだった。
──────────☙
「あれ、何でお前居んの?ヘタ麗」
「未結の作った夕飯食いたいから」
湯上りの彼と、上記の理由で要件を無理矢理片付け(た、そうだ…)帰宅した彼が向かい合って食卓につき、食事が始まる。
次いでわたしも下座の自席につき一呼吸置いた後…切り出した。
「おふたりとも……何なんですかっ?!」
「は?」
箸が止まり、『何が?』と思いっきり言っている眼差しが両方から向けられる。…しまった、主語が抜けていた。──改めて!
「アザです!青アザ!おふたりともにあるんです!」
「うん、俺にも流星にもあるね。知ってるよ」
「で?」
「それ、どうされたんですか?教えてください!」
「未結ちゃん、世の中知らなくていいこともあるよ」
「つか 俺 が大したことねーつってんだから、それでよくね?」
わたしから見て右側。麗さまからは、やんわりとした拒絶。
次いで左側、流星さまからは実に彼らしい言葉の終息宣言。
怯んでしまったけれど…引かない!
「……知りたいんです!」
「あのね…知ってどうするの?」
「言っとくけど、おまえにはどーにもできねー話だよ?」
確かに、知ったところで何もできないだろうけれども。
どうしても知りたかった。
大事な人の身体が、傷ついた原因を。
「……知りたいんです!!」
射抜かれそうに鋭い漆黒の三白眼と、切れ長で、長い睫毛に縁取られた赤墨色の瞳がわたしを見つめた後、お互いを見合い…やがて伏せられた。小さな溜息と一緒に。
「っとに言い出したら聞かねーな、こいつ」
「…仕方ないね」
観念したように頷き合った彼らは箸を置くと、腰掛けていた椅子を引き食卓との間に隙間を作った。
そしてそれぞれ…着ている服の裾を捲り上げた!?
「な、ちょっ…!?り…っ?れ…っ??」
予想外の展開に目を白黒させるわたしを尻目に、彼らは「これ」と各々のアザを指差して…真実を告げた。
「やったのおまえだよ」