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BeLoved.【蜜月記】
第13章 そういう男。1
「怒」
「ってないよ」
被せて言われて。
彼の表情は平静そのものだけど…だからこそ、その、それが、余計に、怖くて。勝手に追い詰められていくわたしに応える(?)ように、彼はしっかりとどめを刺してくれた。
「ちょっと傷ついただけ」
「!!!」
また出てしまった。わたしの驕り。傲慢。
今のこの暮らしは、ある意味砂の城。
いつ崩れるかわからない、脆いもの。
『愛されている』ことは当たり前じゃないってこと。
忘れていないはずなのに。〰〰ああ、もう。
「だから、癒してくれる?」
「、え?…ひゃっ?!」
顔を上げたら、不意打ちに、頬へのキス。
反射的に素っ頓狂な声を上げてしまい、慌てて両手で口元を覆った。…なぜなら。そう離れていないところに、店長さんが待機していらっしゃるから!
「癒して、って…、どうすれば… …んッ!」
「そうだね…」
またもや不意打ち。僅かに前屈みになった彼は右手を伸ばし、わたしの足首から裾までを、中指の先でつつ…と遡った。…艶を纏った滑り方で。
素肌に、そんな触れ方。…ゾクゾクしてしまう。 ああ、口元を押さえる手が間に合ってよかった。
「……っ」
指がそのまま裾を潜り入り、腿を内側に向けて滑って行っても。…艶を纏った声が、漏れずに済んだから。
「未結のここ、舐めていい?」
「……!」
指先が辿り着いたのは、足と足の間の、あたたかな部分。
下着越しに、割れ目の間に、彼の中指全体がぴたりと当てられた。
「だ…っ、だだだだだめですっ!!今こっ、ここ何処だと思」
しちゃ……フィッティングルーム!しかも、そう離れていないところに、店長さんが待機していらっしゃる!
こんな状況でできるわけない。鏡じゃなく、本物の彼の方に顔を向け、小声でしどろもどろになりつつも何とか抗議した。
「うん、そうだね。だから?」
「〰〰・・・」
そうしたら涼しい(そしてきれいな)お顔でのこの切り返し。…さすがは誰かさんを凌ぐ強引さ。
「じゃあ未結、キスでもいいよ」
「え…? ・・・───!」
指が布越しに秘部を擦った。掠ったんじゃない。これは…愛撫。…嘘でしょ?!
「どうする?未結が決めて」
「ひ…ぅ、ッ、ん、〰〰す、きす、きすします…っ!」
愛撫の執拗さが、わたしを追い立て溶かし始めてる。…敗ける前に、わたしは選んだ答えを訴えた。