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BeLoved.【蜜月記】
第14章 そういう男。2
嘘がない彼の言葉と瞳は、わたしにも嘘をつかせない。
「……ぁっ、ふ…あっ、んんっ」
四肢の震えも、手で押えたはずの口元から声が漏れるのも、止められない。
彼の唇と指先が触れる度に拡がる、柔らかさと熱が。普段よりも肌の奥深くまで染み渡るようで……きもちよくて。
それはそう……『感度が上がってる』証拠。
「、り…っ!それ…いやっ…、だめ…っ」
彼の中指の腹が、つ…と背筋を沿って遡る。焦らすようにゆっくりと、妄りがましく。それに伴って、下腹部の奥はキュッと締め付けられて…疼いた。
「は…っ、…んんっ…」
背を昇りきり項に辿り着いた指が、今度は下り始めた。
触れるか触れないかの力加減はくすぐったくて…疼きを色濃くさせていく。
「なんで。嫌じゃねーだろ?」
「…っ」
嘘がない彼の言葉と瞳は、わたしにも嘘をつかせない。
身体中か熱を帯びてる。あつい。なのに震える。
息が上がってる。くるしい。視界が潤む。口元が緩む。なのに、返事ができない。腰は砕け、自分を支えられない。
ぺたん…と彼の胸にしなだれ掛かり、寒くもないのに震える身を預けた。寒くもないのに、彼のぬくもりに縋り付くように。
「…ほら未結、すげーよ。俺背中いじっただけなのに」
「ゃだ…、言わな…っ」
下りきった指が下着の中に挿し込まれ…秘部に触れたのとほぼ同時。耳のすぐ側で、低く甘い声が揶揄してきた。
原因は、そう。指先から伝わっただろう熱さと潤み。溢れ出したわたしの疼きが零れたものが、彼の指先を穢したせい。
「あー…すっげ…。中、トロットロ…」
「ひ…ああぁ…っ」
つぷ…と、恐らく中指が挿入り込んだ。それは疼きが溢れさせた蜜に滑り、いとも簡単に奥へと侵入していく。
「──あ…!…そこ…っ」
わたしが大好きな、華奢じゃないのにしなやかな、彼の指は。
いつも、触れて欲しくて堪らない疼きにきちんと届いて…乱れさせてくれる。今、この時も。
「あっ、あっ、あっ…り、ぃあっ、ああぁ……っ!」
「…声出んのも腰ガクガクすんのも、止まんない?」
いつの間にか膝立ちになって腰を浮かせて震わせて。凭れ掛かっていただけだった筈の肩口に、両腕を回してしがみついて。わたしはただ、声と全身を震わせはしたなく鳴き喚いた。
それは『感度が上がってる』証拠。
嘘がない彼の言葉と瞳は、わたしにも嘘をつかせないのだ。