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BeLoved.【蜜月記】
第14章 そういう男。2
この緩やかさは、彼の好む動きじゃない。なのに熱と狭さに包まれて、快感だけは容赦なく襲い続ける。
…もどかしいだろうな。だって今の彼はわたし同様『感度が上がってる』んだから。
「……ッ」
ほら、舌打ち。眉間に皺が寄ってる。呼吸が荒くなってる。
本当は自分でわたしをいっぱいにしたくて、鳴き叫ばせたくて、堪らないはず。本当はそうなるはずだったんだから。
──なんでだろう。なんで今日はわたし、こんな…
「…なー未結、マジで動いちゃダメなの?」
まだ半分しか繋がってないのに、早くもブーイング(?)が飛んできた。動きたい。突きたい。…欲しい。射抜かれそうに鋭い彼の瞳の奥に、そんな強請りの色を見てしまったら…抑えられない。
「…ダメです、わたし、が…、する、んですか…ら、 あ……ッ」
そこで一気に、彼の全てをわたしのものにして。
指よりもずっとずっと大きくて、固くて、熱を纏ったそれは。
指よりもずっとずっと深く、鋭く、疼きを突き貫いてくれた。
「ん、あっ…ぃっ、これ…っ、んん…っ」
腰を上下させる度に、彼の分身に密着した襞が擦れて痺れる。
とぷん、とぷん、と響く水音は、彼の先端が触れる度に疼きが溶かされ、愛液になって溢れるもの。
──たまらない。きもちいい。…だけど、溺れちゃだめ。
「、ん!」
彼の、予期せず漏れただろう声と、四肢の強ばりで。
わたしは自分の口角を微かに上げさせた。
「ここ…っ、これ…っ、好きですよね…?」
深く繋がったまま、少しだけ位置をずらせば。彼の先端は、わたしの中の…ざらついた箇所に触れる。…ほら、そのままそこに当たり続けるように腰を使えば。彼は存在を増し、表情も…劣情と艶が色濃くなった。
「…ん、すげー好き。めちゃくちゃ気持ちー…」
「……」
真っ直ぐ見つめる瞳は快楽に潤み、声は甘く掠れてる。
それは彼が彼の言葉通りであることの、証明。
──ああ、どうしよう。
どうしてこんなにドキドキするの?
どうしてこんなに気持ちがいいの?
どうしてこの人はこんなに…いとおしいの?
「あ、ホラ、白玉。これも気持ちーのよ」
「!今言いますかっ、それを!」
白玉。…つまりはわたしの…お腹のお肉を、ぷにぷにと摘んで遊び、悪戯っぽく笑う彼を見て。…わかった気がした。
この人は愛してくれるだけじゃなく…愛されてくれるからだ。