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BeLoved.【蜜月記】
第14章 そういう男。2
「俺さー、最初おまえが男と密会してんのかと思ったの」
さて……あの後、揃ってシャワーを浴びて。リビングのソファに腰を下ろした流星さまは。濡れた髪をタオルでガシガシと拭いながら…とんでもないことを言ってきた。
「あのファミレス、ココからだいぶ離れてるしさ。しかも店の裏、ラブホ街だったじゃん」
「えっ」
…わたしは全く気付かなかったのだけれど、よくよく聞けば確かに密会を疑う条件(?)は整っていた(ちなみに彼が利用したコインパーキングはお店の裏側)。しかし…倖哉さんに対するわたしの表情を見、その疑いは消え去ったらしい。
「で、おまえ何であの辺に居たの?」
「……」
彼の口調は普段通りの飄々としたもの。表情も。
しかし瞳は…鋭く、嘘も偽りも許さないもの。
台所に立ちお茶を淹れていたわたしは…観念し、手を止めた。
「…その…、ブ…ブラジャーが欲しくて…。○○通りに新しい下着屋さんができたって聞いたから…行ってきたん、です…」
そこは女性もの専門店。さすがに一緒に行くのは嫌だろうなと思った(実際わたしも気が引ける…)し、特に知らせる必要も無いだろうと思ったから、一人で行ったのだった。
「へー。気に入ったのあった?」
「あ…は、はい!あ…えっと…、これなんですけど…」
別にわざわざ見せる必要は無かったんだろうけど。なんとなくそっちの方が安心してもらえる(?)かなと思って。台所の隅に置いておいた包みを開けながら、彼のそばに寄った。
「うーわっ、なにそれ」
「や、やっぱり派手ですかね…」
「めっちゃくちゃ俺好みじゃん」
「えっ」
それはピンク地に黒のレースがあしらわれた、可愛いデザインで。ブラとショーツをセットで買ったものなんだけれど。…なんと彼のお眼鏡にかなったようだ。下着なんて興味無いと思ってたのに、瞳がキラキラ輝いてる…わかりやすいなぁ。
「つーかおまえ、湯上りなんだからコレ今着ろよ。襲うから」
「やややなな何を言って… …?何か聞こえませんか?」
やり取りの最中、何処からか微かに機械の振動音がした。これは…携帯?音の出処を探り廊下に出ると、どうやら壁に掛けた流星さまの上着のポケットの中かららしい。
取り出した頃には静かになったそれを手渡し、画面を確認した彼は「あ」と呟き…またしてもとんでもないことを言ってきた。
「俺麗と約束してたんだった」