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BeLoved.【蜜月記】
第4章 ハメ撮りってなんですか?
「あ…ふぅ…っ、んん…っ」
甘いキスに酔いしれる最中も、肌に舌が這う最中も──彼の指が秘部に触れる最中も。やはり…気になってしまう、スマホ。
インカメラに切り替えられたそれはシーツの上に置かれ、壁に立てかけられて撮影し続けている。
広角レンズ…だっけ?撮影範囲が広がった画面には、寝かされたわたしと、それに覆い被さる彼の姿がしっかり映り込んでいて…死にそうなほど、恥ずかしい。
「ハメ撮りってそういうものだからね」
それを伝えたところでの静かな返し。…この状況で、なんでこんなに平静なの?…それだけわたしと彼の間には、『経験』に差があるからか…
「、んっ」
秘部に何かが挿し入ってきた感触。…指だ。反射的に彼の首に両腕を回し抱きついた。
「…あ…っ」
内壁を愛撫する指は奥をやさしく突いていく。それがたまらなく…気持ちいい。だけどまだ羞恥心の方が勝って。頑さが抜け、徐々にとろかされていく様が少しでも隠れるように、目を閉じて彼の肩口に顔を埋めた。
「…未結、見て」
それを察した彼は、耳元でそう命じた。反射的に目が開く。『見て』。その言葉が示す先は…彼じゃない。少しずつゆっくりと顔を向けた先の、スマホ。
「あ…」
わたしがいる。寝かされ、肩紐はずらされ裾はたくし上げられたはしたない姿で、彼の腕の中にいるわたしが。
「…っあ、んぅ…」
剥き出しの首筋に彼の舌が這う。それはそれはおいしそうに、味わいながら、ゆっくりと。
耳穴に入り込んだ舌が立てるぴちゃぴちゃとした音。秘部で指が蠢く度に鳴るくちゅくちゅとした音。
なにもかも全部撮られてる。『ふたりだけの秘密』。
今、彼の腕にいるのは『彼女』じゃない。…わたし。
わたしは彼のもので、彼はわたしのものだ──
「ごめんね…もう挿入れていい?」
抱きつく腕に力を込めていたのに気付いたのは、余裕が削がれた声で求められたのと、彼が腕を伸ばしスマホを回収したせい。
仰向けのわたしの足の間に入り込んだ彼は片手でスマホを操作し、再びアウトカメラをこちらに向けた。
「ぇ…こ、こんな近くで撮るんですかっ?!」
「何言ってるの?未結ちゃん」
スマホの向こうには、欲を滲ませ──画面ではなく、『わたし』を見つめる彼の瞳。
「ハメ撮りってそういうものだからね」