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BeLoved.【蜜月記】
第1章 ウォークインクローゼット

「嫌なんだ?」
「…っあ…」
「じゃ、やめるわ」

ケロリとした口調と共に。突然指が引き抜かれた。てっきり終わりかと思ったら…甘かった。
ほんの少しの間の後、指よりもっと重くて熱い衝撃に切り拓らかれたのだ。

「!や…っ、なん、なんで…っ?!ひあっ」
「"指じゃ嫌"って言ったの、おまえだろ」
「またそんな…っ、ひっ!やあぁん…っ」

それは彼の分身。それは戸惑う心と身体に構うことなく一直線に深みへと押し入った。内壁と蜜に滑らせ、快感を憶えさせながら。

「ぁうっ、あっ、ふあぁっ…」

指の愛撫でとろけたそこは、与えられたそれを嬉しそうに飲み込む。いやらしい音を立てながら。

「すげーよな……マジで吸い付いてくんだから」
「あ…!ゃらっ…揺らしちゃ…」

腰を掴まれて逃げ道を塞がれての、小刻みな動き。避妊具(恐らくさっき指を抜いた後の僅かな間に着けられたもの。本当に携帯より携帯してるのね…)越しでも伝わる固さと熱は、奥を絶え間無く突いてくる。…たまらない。

「ああんっ、あっ…、はん…っ」
「…っあー…未結、良過ぎ…」

意志とは関係なく、彼を締め付け奥へと導くわたしの身体。それに溺れ、快楽を貪るように動き続ける彼。

「っあ、やぁんっ!りゅ…、やらぁ…っ」

されるがまま、ただただ喘ぎ鳴き叫んで。
深くから溢れ出る快感に全身を震わせて。


狭い室内に響き渡る、わたしの蜜音と、彼が肌を打ち付ける音。濡れた音と乾いた音。それは正反対なのに…どちらも扇情的で。

「…っ、…止まんねー…」
「ん、あ…っ!」

衝動のまま、背中に覆い被さってきた彼。その勢いと、与えられた首筋への口付けのせいで、体を支えていた腕の力が抜けて…上体は床にへたりこんでしまった。

「…んっ…」

抵抗なんかしていないのに、大きな手が首根っこを掴み、押さえ込む。それはわたしに、自分の感覚だけを感じさせるため。そしてそれから、逃れられないようにするため。

「はっ…あ、あっ、ぅんっ…」

狭いウォークインクローゼットに閉じ込められて
そこからさらにもっと狭い世界に閉じ込められて。

それは彼も同じ。彼もわたしに閉じ込められてる。

…あれ…?わたし、笑ってる…?
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