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BeLoved.【蜜月記】
第7章 世界はそれを女王様と呼ぶんだぜ
「で、提案なんですけど!」
──さて、やっぱり取ったからには活用したい!
今までたくさんいろんな所に連れて行って頂いた。やっとその恩返しができる時がきたんだ。
「わたしの運転で、お」
「絶対やだ」
…言い終わるより早く即答されてしまった。
しかも、ふたり同時に。真顔で。
「無理。俺死にたくねーもん」
…流星さまは本当に、清々しいくらい思ったままを口にする。嘘も隠し事もオブラートも存在しない。
「言い過ぎだボンクラ。……ごめんね、未結に余計な十字架背負わせたくないから」
…フォローなのよね、麗さまはフォローしてくれてるのよね。引っかかるものを感じなくもないけど。
「まぁそれは置いといて。ご褒美はどうしようか、未結。なにか欲しいものある?」
「それな。ちゃんと結果出したんだし。言ってみ?」
わたしに免許証を返してくれつつ、麗さまが持ちかけてくれた。流星さまも頷いている。もう、いつもの優しい彼らだ。
「……」
…ご褒美。…欲しいもの。……。
少し考えたあと、わたしは『それ』を口にした。
「…わたし、3人で温泉に行きたいです!」