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BeLoved.【蜜月記】
第7章 世界はそれを女王様と呼ぶんだぜ
駆け抜ける、総毛立つ感覚。
半分ぼやけ始めていた意識は一気に覚醒した。
「…、りゅ…っ、あんっ、いゃっ…、んっ、らめ…っ」
口付けは、肩口から、肩甲骨の辺り、背筋と、順を追って落とされ続ける。
彼の唇が触れる度に、火照りと腰のざわつきは増し、びくん、びくん、と身体中が大袈裟に反応して、呂律まで回らなくなって。
…羞恥心でいっぱいになのに、声も彼も止まらなくて。
「ほら。未結は背中が一番感じんだよな」
愉しそうに呟く声。…さっきまでの呑気なものじゃない。艶と…独占欲を色濃く纏わせた声。
自分だけが知る『わたし 』を引きずり出した。
そのことに満足そうに呟く、低く昏い雄の声。
…お腹の奥が疼いた。
「──あ、わかった。うん」
「…?…」
「青姦好きの気が知れなかったけど。うん、いーわ、これ」
…あお…?…今なんて言ったの??
背に唇を寄せられながらだったから…反応してしまって、よく聞き取れなかった。
「未結、挿入れさせて」
「え…」
「やばい。無理。挿入れたい」
聞き漏れを確かめる間もなく覆い被さられて。余裕の無さに戸惑うより先に手を取られ、彼の昂りに触れさせられた。
「ぁ…」
やっぱり彼の言葉には嘘がない。『やばい』『無理』その通りの状態に追い詰められたそれの感触が、掌から伝わってきた。
…お腹の奥の疼きが増す。…欲しがってる。
だけど、ここはお風呂だし…いくら『あれ』を携帯より携帯している彼でも、さすがにこんな所までは……
「ゴム?あるよ?」
「…え“?!な、な?!ぇ?い、いつの間に?!」
「は?そこの隅にずっと置いてあったじゃん」
指差された先は、反対側の縁。確かに、見覚えのある個包装のそれが、ちょこんと置かれていた。わたしからは死角の位置だから見えなかっただけのようだ…。
「だって俺、いつでも未結のこと抱きてーもん」
「……」
…流星さまは本当に、清々しいくらい思ったままを口にする。嘘も隠し事もオブラートも存在しない。
避妊具の個包装を、歯で器用に開けていく彼を見上げながら、ただただ圧倒された。だけど…わたしの口元は、緩んでいた。