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第7章 世界はそれを女王様と呼ぶんだぜ

｢未結ほら…わかる？当たってるの｣
｢っあっ、はんっ、…んん…っ｣

重力のおかげで、彼は容易く一番の深みにまで辿り着いてしまう。そしてそのまま小刻みに突かれてしまえば。
後から後から、熱と快楽と蜜が溢れ出してくる。

｢気持ちいい？｣
｢ん、ぃ…っ、きもちぃ…れす…っ｣

夢中で頷いて、素直に答えれば。
与えられるのは、ご褒美のキス。

拘束され、離れられない今の状況でのそれは、いつも以上に甘くて美味しくて…夢中になった。

｢んん…っ｣

絡み、縺れ合う舌の感覚に酔い痴れる最中も。
彼はわたしを揺さぶり続け、自分の感覚を刻み込み続けてくれる。『彼』の痕跡を塗り潰していく。

快楽に…ううん、彼に溺れた甘い嬌声と、表情。それらは月明かりに照らし出された上に…彼の眼前で拘束されているから、余すことなく伝わってしまう。

──だけどそれは、彼も同じこと。


｢…！未結すごいね…一気にキツくなったよ…｣

わたしを求め、乞い、溺れ。快楽に歪む秀麗な面貌。余裕のない息遣い。月明かりの下、それらはすべて、わたしの…わたしだけの前に、晒されている。


｢…ここ、好きだから？｣
｢やっ！…れ…っ、やっ、やあぁんっ｣

彼が当たる位置が変わった瞬間。全身を跳ねさせ、一層だらしなく喚いたわたしに、彼は喉を鳴らして囁いた。かわいい、と。

羞恥心と、愛されている充足感。
彼からも……『彼』からも愛され満たされ続ける日々の中で、わたしはいつしか──気付いていた。


わたしの身体に、『いいところ』なんか存在しないの。

貴方が…貴方『たち』が触れるところが気持ちいいの。



だから───


｢〰〰っ！ …あああっ…！｣
｢未結、大好きだよ…｣

言うことをきかなかった代償は、拘束。
縛られた手首は彼の首に回され抱きついた格好のまま。わたしは彼に突き貫かれ、鳴かされ…満たされている。

｢れ…っ…、も…、らめ…っ…ぃっら…ぅ｣
｢…待って未結、もう少… …っ！｣

昇り詰めるまで、あとほんの僅か。
それなのに急に、体勢が崩れた。