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BeLoved.【蜜月記】
第9章 赤ずきんと男ども
「おばあちゃん、こんにちは!」
おばあさんの家にたどりついたミユは、いつものようにノックをして声をかけ、中に入ります。
しかしそこに、おばあさんの姿はありませんでした。
「は?なに。誰?あんた。何勝手に入ってんの?」
「え"っ?!」
代わりに居たのは、狼のように鋭い目をした大男でした。ミユを見下ろし、ギロリと睨みつけてきます。
家をまちがえたのでしょうか。ミユは一瞬焦りましたが、まわりに他の家はありませんし、おばあさんの家には小さい頃から何度も来ています。間違えるはずがありません。ミユは勇気を振り絞って叫びました。
「あっ、あなたこそ誰ですか?!ここはわたしのおばあちゃんのおうち…」
「違げーよ。もう俺のだよ」
「はい??」
「ここら一帯伐採して、新しく処刑場造んの。だからここは立ち退いてもらって、ばーさんは2つ山越えた先のケアハウスに移住させたよ」
「え……」
「処刑場新設を請け負ったの、俺の会社。だからこの家は今俺のもん。あんた、ばーさんの孫?何も聞いてねーの?」
狼(のような)男の言葉に、ミユは思い出しました。
今つけているエプロンのポケットの中に、3日前に届いたおばあちゃんからの手紙を、後で読もうと入れっぱなしにしていたのです。
あわてて取りだしてみると、狼(のような)男が言っていたとおりのことが書いてありました。