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BeLoved.【蜜月記】
第9章 赤ずきんと男ども
「おまえ、赤ずきんじゃなくてバカずきんじゃん」
「なッ?!」
「ま、そんな訳だからさっさと帰ってくんねー?俺忙しーのよ」
狼(のような)男が、言い返せないでいるミユを外に追いやろうとします。
すると、すぐ脇にある階段から、誰かが降りてきました。
「おいボンクラ、2階終わったぞ」
「おーレイお疲れ。どーよ?」
今度もミユの知らない男です。レイと呼ばれた男は両脇に抱えていた荷物をどさりと床に下ろすと、自分も脇に屈んで、手早く分別し始めました。
狼(のような)男も正面に屈み、その様子を眺めます。
「結構掘り出しもんあったぞ。アンティークジュエリー、アンティークドレス…」
「俺にはゴミの山にしか見えねーんだけどね」
「ぃや、ちょっ…、ななななにしてるんデスカ?!」
荷物はすべて、おばあさんのものです。
まるで泥棒のような男どもに、ミユの不信感はさらにさらに高まります。
しかし、男どもはしれっとしたもの。ばーさんに残ったものの処分を頼まれた、売れそうなものを回収している、と答えました。
「おいボンクラ、なんだよこの赤ずきん」
「ばーさんの孫」
「ふーん。大人の仕事の邪魔しないでね。…あー、腹減ってきた。ちょっと一狩りしてくる」
そう言うと、レイと呼ばれた男は立ち上がりました。どこから取り出したのでしょう、手には鉄砲のようなものを持っています。
レイと呼ばれた男は狩人だったのです。