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BeLoved.【蜜月記】
第10章 流麗荒亡 2
「おおおお風呂一緒に入ってくださいぃ!!!」
廊下へ出ていこうとした彼の服の裾を、すれ違いざまに辛うじて掴み、半分引きずられながら喚いた。
腰が立たない。心臓のバクバクが治まらない。
とてもじゃないけどひとりで入浴なんて無理。
かといって入浴しないのはもっと無理。冷汗びっしょりだし……下着が濡れてる。多分きっと、少量だけど、漏ら・・・〰〰。
「えー?やだ。俺もう終わったし」
「そそそそこをなんとか…ッ!!」
「今日俺の日じゃねーし。破ると麗くん怒るし怖ぇーもん」
…かつてこれほどまでに白々しい台詞があっただろうか。
今まで何回破って、怒らせてると思ってるんですか…。
…いや、破ってるのはわたしもだし、怒らせると…も事実ですけど。
「てな訳だから。じゃ」
「!!ちょ…ちょちょ、待…ッ」
わたしの手が緩んだ隙をついて、流星さまは再び脱衣所を出て行こうとする。…本当にこの人はマイペースというか、釣った魚に餌をやらないというか。麗さまのこともある…けど、負けて(?)はいられない。
「おおおお願いしますっ」
「色々めんどくせーからやだ」
「れれれっ麗さまには…その…な、内緒にしますから…!」
「……しょーがねーなー」
──勝った!(?)…かなり面倒くさそうだけど…。
そして麗さますみません、緊急事態なんです…!
「そーと決まりゃ早く脱げ。ほら」
「!ぃや、ちょ待っ、じ、自分でしますカラ?!」
安堵したのは一瞬。今度は「手伝ってやるから」と伸びてきた彼の手から逃れつつ、下着の濡れ…がバレないようになんとか服を脱ぎ捨てたのだった。