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BeLoved.【蜜月記】
第10章 流麗荒亡 2

【おまけ】



「なー未結、今度鏡の前でオナニーして見せて」
「…殺す気ですか!」

──さて、あれから数十分後。わたしと流星さまは無事(?!)入浴を終え、脱衣所に移動していた。


「えー。左手に憑いてた霊(やつ)、祓ってやったろ」
「それとこれとは話が別ですっ!!」

やいのやいの言い合いながら身支度を整えていると……突然、廊下へ繋がるドアが開き…人影が挿し込んできた!
…でも、今度は絶叫したりしない。その正体は明らかだから。
麗さまだ。

「あっ…おっ…おかえりなさいマセッ?!」

それでも、後半が変な声にはなってしまったのは。


「うーわっ、麗、どした?ずぶ濡れじゃん」

そう。どういう訳か彼は毛先や服の裾からポタポタと雫を垂らした全身濡れねずみだったのだ。今夜、天気悪かったっけ??


「すげーなお前。服着たまま泳いだの?」
「…ボンクラ!ゲリラ豪雨だよ」

たまたまタクシーを利用した今日に限って、降車した瞬間土砂降られた。最悪だ、と忌々しげに麗さまは呟いた。…どうしよう、ご機嫌ななめだ。

「未結ごめんね、廊下濡らしちゃったよ」
「あ…っ、全然そんな!拭いておきます!」
「ありがとう。…風呂入ってくるね」

0時を回ってしまったけど、今日はまだ、麗さまの日。
だけどわたしはさっきまで流星さまとお風呂に入っていた。最初は確かに緊急事態からだったけど、途中からはその…アンナコトになってしまって。

「麗お前、今日あの件詰めたんだろ?どーよ」
「破談だよ。先方の要求が無茶過ぎて話になんねぇ」
「へー。あ、そーそー、あのさ」

内緒にしなくちゃいけない。余計なことを口走ってしまう前にこの場を去ろう。彼らの会話を背中に聞き流しつつ、そそくさと洗面所を立ち去ろうとした…ら。それを許さない方がいた。

「俺ついさっきまで未結と風呂入ってたんだけど」
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