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縁
第14章 えにし(縁)
辰は嬉しいのを通り越して感動していたが、もうひとつ気がかりな事がある。
「じゃあよ、最後にもうひとつ聞くが、こんなに年が離れてて……それでも構わねぇのか?もし運良く長生きしたら……俺の方が先に爺さんになっちまうぞ」
もう分かりきった事だが、親子ほど離れた年齢差だ。
「私……ずっと離れません、辰さんがお爺さんになったら、私がお世話します」
絢音もそんな事は初めからわかっている。
「そうか……、そこまで言うなら間違いねぇだろう、それじゃあ、もういっぺん聞くが……、絢音、俺の女房になってくれるか?」
辰はこれ以上言う事がなくなり、納得して正式にプロポーズをした。
「っと……はい……、勿論なります」
まさかこんな所でプロポーズをされるとは思わず、絢音は少し面食らっていたが、辰が結婚を口にするとは思ってなかったので、不意打ちのプロポーズを受けて飛び上がる位嬉しかった。
─────
その夜、2人は結ばれた。
辰はこんなに満たされた気持ちになったのは初めてだった。
「痛かったか?」
「うん、少し……」
絢音は辰の腕に抱かれ、今が一番幸せかもしれないと……そう思っていた。
「ガキはできねーようにした、まだはえー」
「はい」
「ま、そうは言っても、あんまりのんびりしてたら、俺はジジイになっちまう」
「ぷっ……」
「こいつ~、笑ったな」
「あははっ、ちょっと……くすぐったい」
辰は絢音を擽り、絢音はケラケラと笑った。
狭い部屋に2人の楽しげな笑い声が響いたが……。
賑やかな赤ん坊の泣き声が聞こえる日も、そう遠くはないかもしれない。
「じゃあよ、最後にもうひとつ聞くが、こんなに年が離れてて……それでも構わねぇのか?もし運良く長生きしたら……俺の方が先に爺さんになっちまうぞ」
もう分かりきった事だが、親子ほど離れた年齢差だ。
「私……ずっと離れません、辰さんがお爺さんになったら、私がお世話します」
絢音もそんな事は初めからわかっている。
「そうか……、そこまで言うなら間違いねぇだろう、それじゃあ、もういっぺん聞くが……、絢音、俺の女房になってくれるか?」
辰はこれ以上言う事がなくなり、納得して正式にプロポーズをした。
「っと……はい……、勿論なります」
まさかこんな所でプロポーズをされるとは思わず、絢音は少し面食らっていたが、辰が結婚を口にするとは思ってなかったので、不意打ちのプロポーズを受けて飛び上がる位嬉しかった。
─────
その夜、2人は結ばれた。
辰はこんなに満たされた気持ちになったのは初めてだった。
「痛かったか?」
「うん、少し……」
絢音は辰の腕に抱かれ、今が一番幸せかもしれないと……そう思っていた。
「ガキはできねーようにした、まだはえー」
「はい」
「ま、そうは言っても、あんまりのんびりしてたら、俺はジジイになっちまう」
「ぷっ……」
「こいつ~、笑ったな」
「あははっ、ちょっと……くすぐったい」
辰は絢音を擽り、絢音はケラケラと笑った。
狭い部屋に2人の楽しげな笑い声が響いたが……。
賑やかな赤ん坊の泣き声が聞こえる日も、そう遠くはないかもしれない。