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誘蛾灯
第3章 寄るな危険
 体温を何処かに置き忘れた様な冷たい声に美世子ガタガタと震える。
 「み、美世子はセ、セックスしてもらってるのに自分だけ勝手に逝ってしまいました。許して下さい、御姉様。」
 今度は乳首が捻られる。
 「謝る相手が違うんじゃないの?それに女にして頂いたお礼も言ってないでしょ!」
 女はここまで残酷になれるのか。能力で知らない間に発情させられ訳のわからない内に処女を捧げ中出しされたのにそれの礼を言えとは。
 「ご、ご主人様。美世子を一人前の女にしていただきあ、有り難う御座いました。また、美世子が、お願いしてセ、セックスして頂いたのにご主人様を気持ちよくして差し上げれずに私だけ浅ましくも快感に溺れ何度も勝手に逝ってしまいまいた。こ、この償いはこれからオ、オマンコを使っていたしますのでどうぞお許し下さい。」
 半べそかきながら耳打ちされる通りの詫び口上を述べ終わると美世子は身を翻し初巳に抱き付くと泣きじゃくり出した。双丘を涙で濡らす美世子の頭を優しく撫でながら初巳が尋ねる。
 「美世子ちゃんは私が好きなの?」
 突然の言葉に美世子の顔が跳ね上がる。初巳はオデコをくっ付けて言葉を重ねる。
 「美世子は私の物になりたいの?」
 「なりたい。御姉様の物になりたいです。」
 おいおい、いきなり背景が百合の花畑になったぞ。
 初巳は短く唇を交わすと優しく美世子の乳房を揉む。たちまち美世子の顔が上気する。どうも美世子は最初から恋愛対象として初巳を見ていたようだ。
 桜ノ宮はお堅い女子校だ。自分と同じ同性のファンや取り巻きはいても男が寄り付く事はないだろうとたかをくくっていたら大嫌いなクラスメートの俺に鳶に油揚げどころか極上ステーキをさらわれたのだ。どおりで今朝の剣幕は尋常でなかったわけだ。
 「でもね、私はご主人様の奴隷なの。私の全てはご主人様のものなの。」
 初巳が何を言おうとしているか察して美世子の顔から血の気が引く。
 「だから、美世子が私の物になるなら美世子もご主人様の物になるのよ。」
 とんでもない三段論法もあったものだ。当然「判りました」と即答なんか出来るわけがない。だが初巳は躊躇を許さない。トン、と美世子を突き放し立ち上がると見下ろしながらドアを指差す。
 「嫌ならとっとと出て行きなさい!そして二度と私の前に現れないで!」
 大嫌いな俺の奴隷になるか初巳に棄てられるか。
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