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女喰い
第2章 毒牙
一方で、彦兵衛はお美代にタミコとの交わりを見られた事を忘れてはいなかった。
現在店に勤める若い娘はお美代しかいない。
あとは亭主持ちの年増ばかりだ。
彦兵衛はお美代を迎え入れた時から目をつけていた。
器量がよいからだが、15になるまで待つつもりだった。
しかし、新しい雇い人がやって来ない。
彦兵衛は自分の事で悪い噂が囁かれている事を知っていた。
働き手がやって来ないのは、そのせいだと思っている。
タミコを売り払って纏まった金を手にしたが、代わりに欲求を満たす相手がいなくなった。
鬱憤晴らしに妾を好きなだけ抱いてみたが、やはり使い古した物は今ひとつ面白味に欠ける。
まだ少し早いが、この際お美代を……。
彦兵衛はある夜、お美代に夜這いをかけた。
皆が寝静まった深夜、寝衣の白い着物を身にまとい、お美代の座敷へ足を運んだ。
障子をそっと開けると、お美代は布団にくるまって寝ている。
中に入って素早く障子を閉め、お美代の布団に潜り込んだ。
「ん、う……」
体を抱き寄せると、お美代は寝ぼけ眼で目を覚ました。
「だ、旦那様……、なにをしているのですか?」
間近に彦兵衛がいる事に気づき、嫌な予感を覚えながら聞いた。
「お美代、まだ少し早いが、今からお前を女にしてやる」
彦兵衛は逸る気持ちを抑えて言った。
現在店に勤める若い娘はお美代しかいない。
あとは亭主持ちの年増ばかりだ。
彦兵衛はお美代を迎え入れた時から目をつけていた。
器量がよいからだが、15になるまで待つつもりだった。
しかし、新しい雇い人がやって来ない。
彦兵衛は自分の事で悪い噂が囁かれている事を知っていた。
働き手がやって来ないのは、そのせいだと思っている。
タミコを売り払って纏まった金を手にしたが、代わりに欲求を満たす相手がいなくなった。
鬱憤晴らしに妾を好きなだけ抱いてみたが、やはり使い古した物は今ひとつ面白味に欠ける。
まだ少し早いが、この際お美代を……。
彦兵衛はある夜、お美代に夜這いをかけた。
皆が寝静まった深夜、寝衣の白い着物を身にまとい、お美代の座敷へ足を運んだ。
障子をそっと開けると、お美代は布団にくるまって寝ている。
中に入って素早く障子を閉め、お美代の布団に潜り込んだ。
「ん、う……」
体を抱き寄せると、お美代は寝ぼけ眼で目を覚ました。
「だ、旦那様……、なにをしているのですか?」
間近に彦兵衛がいる事に気づき、嫌な予感を覚えながら聞いた。
「お美代、まだ少し早いが、今からお前を女にしてやる」
彦兵衛は逸る気持ちを抑えて言った。