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嫉妬
第1章
「ん"っ…ぅう?!」
薄暗い教室。一歩足を踏み入れた瞬間に、背後から両腕を掴まれて、口を塞がれて、複数人に囲まれて。挙句に逃げ道を閉ざされてしまったら。ごくごく普通の女学生には一体どれだけの恐怖だろう。想像したくもない。
「なぁ…マジでいーの?」
「いーんだって。なぁ?妃咲」
一人の女子を床に組み伏せ自由を奪った三人の男。
そのうちの二人がこちらに向かい声をかけてきた。
「もちろん。好きにしちゃっていーわよ」
棒付きの飴を頬張りながら教卓の上に足を組んで座り、女王然と見下ろす私は、岡谷妃咲(おかや きさき)。この学校の生徒会長だ。
事態が飲み込めず、男に囲まれただ困惑の表情を浮かべる女子は同級生。地味で目立たない、所謂陰キャ女。
容姿端麗、文武両道、才色兼備。先輩後輩同級生、教師、果ては保護者からの信頼も厚い。そして両親は権力者。そんな、陽のあたる場所で生きる私とは正反対の人種だ。
名前?知らない。
「痛ってぇな暴れんなよ!妃咲、こいつマジなんだろーな」
「ゆったじゃん。その子、すっごいヤリマンビッチなの。もー普通のえっちじゃ物足りなくて、ガチのレイプ体験してみたいんだって」
渾身の力で全身をばたつかせ抵抗する女に手こずった最後の一人が、苛立った口調で問いてきたから答えてやった。大嘘で。途端に他の二人も乗っかりはしゃぎ出す。
「マジかよ?実物全然そんな風に見えないじゃん」
「人は見かけじゃわかんねーってやつ?」
「その子ピルも飲んでるから。生中出しおっけーだよ」
その言葉に男たち─ま、同級生なんだけど手足になってくれる便利な子たち─は歓喜の声を上げた。それこそ、興奮したサルみたく。