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嫉妬
第1章

「なんで…っ、こんな…と…す…るの」

咥え込まされたまま射精されて。精液混じったゲロ吐きちらし咳き込みながら、女がぐっちゃぐちゃに濡れた汚い顔をこっちに向けた。

『なんで』?あぁもう、これだから陰キャは嫌なの。察しが悪くて機転も効かないグズ。まーいいわ、教えてあげる。心の中でだけど。

『彼』が私よりあんたを選んだからよ。

「っあ~、やべー。イきそ…」
「ビッチほんと嫌がる演技上手めーな、慣れてんだろ?」
「次俺っ!俺ね!早く代われって!」

三馬鹿は更にキーキーと騒ぎ立てる。欲望丸出しで知性の欠片もないそのザマはまったく『彼』とは大違いだ。

「……」

『彼』。入学してからずっと同じクラスで、ずっと好きだった。群を抜いて優等生ってわけでも、運動部のエースってわけでも、超絶美形ってわけでもない。ごくごく『普通』の男の子。

それでも何故か、とても惹かれた。なんでだろう。ハッキリいって私とは全く釣り合わないのに。彼が授業中にあてられて答える姿、購買のパンを頬張る姿、クラスの男子と戯れる姿。いつも見惚れてた。

『片思い』なんて生まれて初めて。ときめく反面──気にも入らなくて。彼よりハイスペックな彼氏を何人も作ったけど…やっぱり違くて。彼じゃないと駄目なんだって確信した。


だから、先週。生まれて初めて自分から告白した。

上手くいくに決まってる。そう思った。
だってこの私が、誰もが認めるこの学校の『女王様』岡谷妃咲が、好きって伝えたのよ?


──返事は『ごめん』だった。


「彼女がいる。この間やっと告白できて、付き合えることになったんだ」──やめてよ、そんな笑顔で話さないで。
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