この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第8章 魔王⑧
 癒しの力は、瀕死の状況すら回復できると言われている。その力の前では、こんな小さな傷の治療など、取るに足らないものだ。

 強大な力を与える聖女を、敵が手放すわけがない。

 フィーネが魔族側に取り込まれれば、人間にとって更なる脅威となるだろう。

 納得のいく返答だった。

 人間についても、魔族についても結局は、

(私が戦いの道具には変わりない。私の役目は、主人となった方に尽くすこと。ならば相手が魔王であっても……同じことだわ)

 そう思ったら、不思議なほどスッと言葉が出た。

「分かりました。あなたに……従いましょう」

 口にしたら、何故か心が軽くなった。

 本来なら、魔族に聖女の力が渡らぬよう、今ここで自死を選ぶべきだろう。

 しかし、聖地で人としての扱いを受けてこなかったフィーネにとって、涙を拭い、頬に触れる魔王の手は人間以上に温かく、優しかった。
/528ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ