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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第11章 忠誠①
 フィーネに大声を上げられたからか、キスされたあと黙って俯いたからか、どちらの理由かは分からない。もしかすると両方かもしれない。
 
 そんなことを考えながら彼を見つめていると、魔王は気まずそうに視線を反らした。自身の膝の上で握る拳を見つめながら、ぼそりと呟く。

「……乱暴にして、すまなかった」

「い、いえ……」

 何に対する謝罪かは、説明されなくても分かる。

 同時に思い出すのは、自身を淫らに変えた、彼の指や舌先の感覚。
 無理やりでありながらも、所々に見えた、彼女への気遣いと優しさ。

 あの時のことを思い出すと、下腹部が切なく疼き出す。淫らな反応を落ち着かせようと、自身の両腕をぎゅっと掴み、再び俯いた。呼吸が乱れぬよう、大きく息を吸って吐き出す。
 
 が、
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