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第15章 自由

「あなた様が人間たちの間で、どのようなことを言われ、教え込まれてきたかは分かりません。しかし、望まない交わりの強要が、役目であるわけありません。少なくとも、この国では」

「そ、それでは、私の存在意味がなくなってしまいます！　私は主に力を与え、その身を癒すために存在しているのです！　現に、そのために私はここに連れて来られたのでは……」

「魔王様のお力は強大です。それ以上の力など、必要ないはず」

　迷いのない強い否定が、アンジェラから発される。

　フィーネの内心が、戸惑いで一杯になった。

（では何故、私はここに連れて来られたの？）

　必要なければ、捨て置けばよかったのではないか？

　疑問と同時に、自分の存在理由が見えなくなって苦しさが広がる。
　そんな彼女を慰めるように、アンジェラは優しく諭すように言葉を続けた。