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Q 強制受精で生まれる私
第11章 4.5度目
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暗くて深い、闇の底。
落ちているのか。浮いているのか。それとも昇っているのか。それすらも分からない、黒一面の真っ暗な海。
熱くもない。寒くもない。どこも痛く無い。重さという概念も無い。何も感じない、完全な無。
一点の何か暖かい物を感じる。
それがどこで感じるかも、何かも分からない。点はじわじわとその大きさを拡げていき、種から根を伸ばすかの様に一本の線になり、その暖かい何かを一直線に引いていく。
滑らかのようでいて鈍い動きで引かれていく線は、複雑な形を描いていく。一直線に進んでいたと思えば、途中で曲がりくねったり、幾重にも細かく枝分かれしたかと思えば集合して一本に戻ったり…忙しなく緻密な動きをしながら何かとてつもなく大きい容器の中を駆け巡っているようだった。
しばらくすると、どくんという一際大きい衝撃をくらい、私は縦横無尽に大きく揺れる。ほんの一瞬だけ闇が赤く染まり、容器一杯に溜まっていた淀みを無理やり吐き出させる。衝撃は一回では収まらず、どくん、どくんと一定の間隔で何かを打ち鳴らし、淀みを嘔吐させては暖かい何かで満たしていく。
暗くて深い、闇の底。
落ちているのか。浮いているのか。それとも昇っているのか。それすらも分からない、黒一面の真っ暗な海。
熱くもない。寒くもない。どこも痛く無い。重さという概念も無い。何も感じない、完全な無。
一点の何か暖かい物を感じる。
それがどこで感じるかも、何かも分からない。点はじわじわとその大きさを拡げていき、種から根を伸ばすかの様に一本の線になり、その暖かい何かを一直線に引いていく。
滑らかのようでいて鈍い動きで引かれていく線は、複雑な形を描いていく。一直線に進んでいたと思えば、途中で曲がりくねったり、幾重にも細かく枝分かれしたかと思えば集合して一本に戻ったり…忙しなく緻密な動きをしながら何かとてつもなく大きい容器の中を駆け巡っているようだった。
しばらくすると、どくんという一際大きい衝撃をくらい、私は縦横無尽に大きく揺れる。ほんの一瞬だけ闇が赤く染まり、容器一杯に溜まっていた淀みを無理やり吐き出させる。衝撃は一回では収まらず、どくん、どくんと一定の間隔で何かを打ち鳴らし、淀みを嘔吐させては暖かい何かで満たしていく。