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Q 強制受精で生まれる私
第11章 4.5度目
「…はま、ぞの…さん?」
「はい…何でしょう?」
「…っ!! 浜園さん!! 目を覚ましたんですね!!」
起きたばかりにも関わらず、先生は私の両肩を鷲掴みして揺らしてくる。あまりに突然の挙動に身体が反射でびくりと動いてしまい、手首の点滴の管がチクリと神経に突き刺さる。蜂に刺された様な痛みが走り、思わず顔をしかめてしまう。
「私が誰だか分かりますか!? ご気分はいかがですか!? どこも痛くないですか!? 」
「ちょ!! ちょっと、そんなに揺らさないで!! 手首、痛いってば!!」
「えっ? あっ!! すいません…私としたことがつい…」
先生は本当に申し訳なさそうな顔をして、腕の力で揺れる私の体をピタリと静止させる。点滴に繋がれている手首に異常がないか確かめるように、指の腹で優しく触診しだす。また痛くなるのは嫌だからなすがままにされていると、問題なかったのか先生の手が手首からゆっくりと離れていく。
直後。私は急に迫ってきた先生に抱き締められてしまう。厚くてがっしりとした両腕を背中で感じながら、適温を保った厚い胸板で押し潰される胸。首筋を僅かにくすぐる息。ただひたすら無言で、だけど何よりも熱く私を抱き寄せる。
微妙にタイミングがずれた二人の鼓動が全身を駆け巡る。トーンを違える二つの心音が、爪の先から髪の先まで血流に乗って響き渡り、じりじりと脳を痺れさせていく。身体は燃える程に熱く苦しいはずなのに、ずっとこのままでいたいという欲求が身体を支配して微動だにできない。
快感と一言で表現するには余りにも言葉が足りない。もどかしくも切なく、かつ体がすぅと楽になる心地よさが駆け巡るこの感覚に、私は名前を付けることができなかった。
「良かった。本当に…良かった…」
「先生…泣いて、いるの?」
背中一杯まで回されている腕が僅かに震え、肩にじわりと生暖かい水気が伝う。私のカラダにしか興味がないと思っていただけに、この抱擁も涙も、その全てが予想外だった。またお得意の嘘かもしれないと疑うこともせず、私はこの動かない体が恨めしく思ってしまう。
このまま。この人の抱擁に応えられたら…
「はい…何でしょう?」
「…っ!! 浜園さん!! 目を覚ましたんですね!!」
起きたばかりにも関わらず、先生は私の両肩を鷲掴みして揺らしてくる。あまりに突然の挙動に身体が反射でびくりと動いてしまい、手首の点滴の管がチクリと神経に突き刺さる。蜂に刺された様な痛みが走り、思わず顔をしかめてしまう。
「私が誰だか分かりますか!? ご気分はいかがですか!? どこも痛くないですか!? 」
「ちょ!! ちょっと、そんなに揺らさないで!! 手首、痛いってば!!」
「えっ? あっ!! すいません…私としたことがつい…」
先生は本当に申し訳なさそうな顔をして、腕の力で揺れる私の体をピタリと静止させる。点滴に繋がれている手首に異常がないか確かめるように、指の腹で優しく触診しだす。また痛くなるのは嫌だからなすがままにされていると、問題なかったのか先生の手が手首からゆっくりと離れていく。
直後。私は急に迫ってきた先生に抱き締められてしまう。厚くてがっしりとした両腕を背中で感じながら、適温を保った厚い胸板で押し潰される胸。首筋を僅かにくすぐる息。ただひたすら無言で、だけど何よりも熱く私を抱き寄せる。
微妙にタイミングがずれた二人の鼓動が全身を駆け巡る。トーンを違える二つの心音が、爪の先から髪の先まで血流に乗って響き渡り、じりじりと脳を痺れさせていく。身体は燃える程に熱く苦しいはずなのに、ずっとこのままでいたいという欲求が身体を支配して微動だにできない。
快感と一言で表現するには余りにも言葉が足りない。もどかしくも切なく、かつ体がすぅと楽になる心地よさが駆け巡るこの感覚に、私は名前を付けることができなかった。
「良かった。本当に…良かった…」
「先生…泣いて、いるの?」
背中一杯まで回されている腕が僅かに震え、肩にじわりと生暖かい水気が伝う。私のカラダにしか興味がないと思っていただけに、この抱擁も涙も、その全てが予想外だった。またお得意の嘘かもしれないと疑うこともせず、私はこの動かない体が恨めしく思ってしまう。
このまま。この人の抱擁に応えられたら…