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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
「24ですけど。」

「…まぁ、サバ読ませるには妥当な年齢か。こうして売春している訳だしろくな稼ぎもねぇんだろ。ただでさえ会社でこき使われているだろうに。哀れなこった。」

 何の恨みがあるのか初対面の私に、男は侮辱をぶつけてくる。良い大人だとマウント取るくせに挨拶もできないのか、と嘆く前に私達より若い女の子が憤りを露にする。

「ちょ、ちょっと何その言い方、酷くない!?」

「あー、喧嘩はマズいって。ね? 俺らイケナイことしている訳だし。目立っちゃうのは良くないって。先輩もお目当ての子が来なかったからって、少しは機嫌戻して下さいよ。」

 予め打ち合わせして決めた年齢を言っただけなのにこの言われよう…よっぽど本来来る娘がドタキャンしたのが頭にきてるのだろう。別に何の関係も持たない男にどう言われようと何も感じない。

 それにしても、さっきからひしひしと伝わってくるこの男の凍てつく視線はさすがに気になる。ナイフの様に鋭いその視線はハズレがきたこと以上の、私の何かに対して酷く怒りに震えているような気がする。

「ささ。これ以上雰囲気悪くなる前にさっさとホテル行ってヤることヤろう。さて、どっちがどっちとヤるかだけど…先輩若い娘の方ががいいでしょ? こっちの娘でいいですよ。えっと…二人とも名前は…」

「私はマオです。それでこちらは…」

「浜園 穂伽と申します。」

 自己紹介の場面になったので自分の氏名を告げると、三人とも呆気に取られたような顔をしだす。何か変なこと言ったかと不思議に思っていると、そういえば名前を言うときは後々面倒なことにならないように偽名で言うこと、と忠告されていたことを思い出す。すっかり忘れてしまっていた後悔よりも、そうかそれでこの男二人組はそんな東京紛いのダサい名前なのかという納得が私の中で上回る。

「そっ、そっかぁ。マオちゃんに…ホノカ…さんね。よし。じゃあ俺は…大人なホノカさんにしようかな!! 先輩はマオちゃんと…」

「…いや、俺はこの女とヤる。お前そのJKとヤれ。」

「えっ!! いいんすか!? 俺この娘取っちゃって。」

「折角繋がった貴重な若い女だ。最近取り締まり強化されて厳しいからな。可愛い後輩のためにも譲ってやるよ。」
 
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