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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
「いるいる。たぶんあの人達だよ。顔も写真とそんなに違ってないし。怒ってなきゃいいけど…あ、向こうも気が付いた。」
 
 駅前の待ち合わせ場所には数多くの人がいるけど、私達はすぐに依頼主達に気付く。予め顔写真を見せてくれたのもあるけど、今風の若そうでチャラい格好をしているのがその人達だけだから嫌でも目立つ。それだけこの街は若者が遊びに来るような場所ではないということだろう。病院から見えたビル街も近くで見たらボロボロだったし、大きい街に見えたのは私の幻想だった。

「こんばんわ。初めましてぇ。えっと…八王子さんと町田さんですよね?」

「おっ。相手の名前覚えてるなんて偉いじゃん。遅れてくるから説教してやろうなんて思ってたけど、そういうのが大事だよ。ちょっとは許してやろうって気になりますよね、先輩?」

 茶髪で黒縁メガネの男は見た目は軽いくせに、上から目線で私達の方を…顔と胸をじろじろと見てくる。隣の男を先輩と言っていたから、この人の方が若い。否、幼稚なのだろう。いかにもカッコつけの遊び人って感じの匂いがして、私はあまり良い男だとは思えない。

「…約束の時刻よりも20分も遅れているんだが?」

「ごめんなさい!! もう一人の子がちょっと都合悪くなっちゃって…あ、でも代わりにナイスバディなゲストを連れてきたから。」

「どう見てもJKじゃねぇだろ、ソイツ。いくつだよアンタ?」

 先輩と呼ばれている黒髪のクールな顔付きの男は、そのクールさを通り越した冷ややかな目付きで私を睨み付ける。いきなり年齢を聞くなんて失礼な男だけど、隣のチャラ男よりはまだいいかなと思う。どことなく危険な香りがするけど、どうせ抱かれるならこの男の方が良さそうだ。
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