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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
 見たことない大きさのバスタブが私を出迎えるも、それには目もくれずに熱目のシャワーで汗を流す。何故か真ん中がくり貫かれた不思議な椅子に座りながら温水の滝に打たれていると、急にどっと疲れが押し寄せてくる。これからもっと疲れることをするのに、それすら考えることが億劫なってくる。

 そもそも何で私はこんなことをやっているのだろうか? 今更ながら自分で自分がやっていることが分からなくなってくる。警察に行ってあの人の人生を滅茶苦茶にしてやろうと思ってたのに、気が付いたらいつもと変わらないことを全く知らない男としようとしている。あの人が言っていた通り、本当の私はエッチが好きな淫乱な女だったのかな…


 …先生。今頃どうしているだろう? 
 捕まってたまるものかと逃げ出す準備をしているだろうか?
 いいカモがいなくなったから、新しい人をものにしようとしているのだろうか?

 もう二度と会いたくはない。会いたくはないけど…ほんの少し。ほんの少しでいいから、惜しいことをしたと思ってはくれないだろうか? そしたらいい気味だと嘲笑うことができるし…窮屈で冷たいこの世の中で、あの人にとっては私みたいな存在でも価値はあったんだなって…思えるし…


 先生…

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