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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
「おい、いつまで入ってんだよ!! さっさと出ろ!! 延長料金取られるだろうが!!」
 
 浴室のドアを叩き割る勢いでノックされ、ハッと目が覚める。シャワーが思いの外心地好すぎたのか、どうやら寝てしまっていたようだ。これがお風呂の中だったら今頃溺死していたかもしれない。どちらが良かったかはさておき、現実という名の地獄に舞い戻ってきた私は仕方なく冷水で火照る身体を冷し、黒い巨大な影を映す扉を開ける。

「ふざけるのもいい加減しろよお前!! 時間ねぇんだからさっさと出ろよ!!」
 
 素っ裸の男に腕を捕まれ乱暴に浴室の外に出される。そのまま犯されるかと思いとっさに身構えるも、男は私と入れ違いで浴室に閉じ籠ってしまう。粗暴な見た目によらず潔癖症なのか、時間が無いとか焦る割には綺麗な体じゃないとしたくはないらしい。汚い体で触られるのは身の毛がよだつけど、色々と面倒な男だ。

 私が何分間気を失っていたか知らないけど、それとそう違わないのではないかと思う程の時間をベッドの中で過ごす。一体どこまで綺麗にしないと気が済まないんだあの男は…時間が無いとかイライラしていたくせに、女を待たせるなんて男として恥知らずもいいところだ。もうこのまま帰ってやろうかと思い始めたところで、ようやく男がシャワーから出てくる。

「…何だよ。俺の体がそんなに珍しいか?」

「腕の太さ見た時から思ってはいたけど、いい体してるのね。何かスポーツでもやっているの?」

「はっ。お前が見惚れるのはそこじゃねぇだろ…ボクシングやっててな。ケンカじゃ負けたことはねぇんだ…大人しくしていた方が身のためだぞ? まぁ、殴らなくてもこれからコイツでひぃひぃ言わせてやるんだけどな。」

 先生のものよりも大きくて太いアレを得意気に見せながら、男はダサい自慢話を私に聞かせる。確かにあんな黒々とした凶器を奥まで挿れられて平気な女はいないだろう。下手したら裂けちゃうなと思ってしまう。なのに私はそれを視界一杯に捉えながら、思わず生唾を飲み込んでしまう。まるであの巨大な槍にメッタ刺しにされたがっているかの様で、反射的な行動とはいえ思わず笑いが込み上げてしまう。
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