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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
「はぁ、はぁ…んんっ…あぁ…凄い、気持ちぃ、せんせー」

「さえずるなぁ!! その名前で呼ぶな!! よくも、よくも俺をバカにしてっ!! 俺のほとぎをぉお!!」
 
 先生は乱暴な言葉を吐きながら、その逞しい男の両手で私の首元を覆い、その命を奪わんと締め上げる。猛スピードで駆け巡っていた血液がいきなり塞き止められ、破裂しそうな痛みと息苦しさが私を苛んでいく。

「あぐっ!! く、ぐるじっ!! い…」

「死ね!! 死んで償え!! お前が死ねばっ!! おまえが…しね…ば…」

 そのまま力を込め続ければ絞殺はおろか、首の骨を折って即死させることだって容易いというのに、先生は口ごもりながら徐々に首の拘束を弱めてしまう。死をもたらす縄から、奴隷の鎖の様に見せしめだけの拘束に成り下がった先生の手は、その気になればお前をいつでも殺せるんだぞと威嚇するかのように震えていた。

「…これが最後だ。もう一度聞くぞ…聞かれたことだけ答えろ、いいな…お前の名前は?」

「…そんなの、言わなくたってわかー」

「質問にだけ答えろと言っただろ!!」
 
 再び先生の両手に力がこもり、喉笛が圧迫される。長時間の入浴によりしわしわになった先生の指が、これからもたらされる死の形として首筋に食い込んでいき、ひゅうひゅうと軽い音を奏でながら抵抗しようと反射的に四肢がびくついてしまう。こんなにも脆い命の癖に頑丈な造りをしていないことに今になって気付き、人間って死にたがりの生き物なんだなと悟ってしまう。

 死を向けられることでしか生を実感できない生物…
 なんて欠陥だらけの生き物なんだろう、と思わず笑いが込み上げてくる。
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