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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
「どういうつもりだ…何故あそこまでして吐き出す!?」

「まさか飲んでくれるとでも思ったんですか? あははっ。冗談は止して下さいよ。飲む訳無いじゃないですか、あんな汚物。先生がスッキリしてくれないと、イライラがこっちまで飛び火するのが嫌だから、抜いてあげたまでのことです。」

 そうだ。その表情。そのオーラ。その憎悪!!
 今か今かとずっと心待ちにしていたんだ。

 随分手間がかかってしまったけど、その甲斐は充分にあった。

 これじゃない。こんな誰を想って作られたか分からない、紛い物に用は無い。

 私が欲しい物は、私だけを想って作られた純粋な子種。それなんだ。

「あ、もう開院の時間ですね。ささ、仕事ですよ先生。今日も一日、張りきっていきましょう。」

 当に開院時間が過ぎていることを理由に、先生の前でわざと下着姿のまま上から白衣を羽織る。幸い白衣は私の背丈よりも少し大きいためか、私の体をすっぽりと覆い隠し、下を一枚しか着てないとは傍目では分からない。これなら私が隙さえあればいつでも犯せる好色女だと知れるのは、先生だけで済む。

 純白の白衣に清白な下着。全身白一色の清らかな姿で、私は診察室を後にする。

 扉が閉まるその刹那。
 先生が呪詛の様に「終わったら覚えておけよ。」と言い放ち、私の期待以上にこの身を震わせた。

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