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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
 生きる意味も見出だせぬまま消化される子種達は、呪詛の代わりに恐ろしい臭気を持つ発情ガスを放ち、瞬時に交尾せよと私の身体を蝕んでいく。本能の糸に絡めとられた私はマリオネットの様に、糸が動くままに窒息死寸前の体を軽やかに動かす。

 乱暴に揺らされたおかげか、麻縄は少し力を加えれば女の私でも千切れそうな程にへたれていた。きっと私を縛りたい一心で、あの僅かな時間の中で用意した安物だったのだろう。そのサプライズ精神に感服しつつも、腕の枷が外れると同時に、精力を使い果たし脱け殻となった先生に体当たりして、そのまま床に突き倒す。

「つっ!! な、なにをっ!!」

 力を使い果たした先生は拘束するまでもなく、何の抵抗も無しに押し倒せた。馬乗りの状態で満身創痍の先生を見下ろしていると、疲労も吹っ飛び活力が湧いてきて笑みが溢れる。

 罪滅ぼしだのなんだのと人間らしい難しいことは終わり。 
 ここからは生物らしい行動…食事の時間だ。

「何って、セックスに決まってるじゃないですか。何の説明も無しにあんなことするなんて、酷いです。やるべきことしないで、自分一人だけ気持ちよく終わるつもりですか?」

「どけ…お前とは…したくない。」

 そう言葉を詰まらせて拒絶する先生だけど、押し退ける素振りはおろか私の眼を見ることすらせずに、そう力無く言い放つ。本心でないこと等分かりきっていても、こうも拒絶されるとさすがの私でも傷付いてしまう。勘違いとはいえ、元カノに似ている女に拒絶された先生のやるせなさが今の私にはよく分かる。

 これは癒しが必要だ。
 それもとびっきりの癒しが。
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