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Q 強制受精で生まれる私
第8章 3.0度目
「はぁ…はぁ…うぅ…あぁ。」

「はい。お疲れ様でした。今日もよく頑張りましたね。浜園さんは我慢強くて官能的で、医者としても男としても治療のしがいがありますよ。えらいえらい。」

 先生は右手で私の頭を、左手で濡れに濡れた秘所を優しく労る様に撫でる。慈愛に溢れたその愛撫はクチュクチュと卑猥な水音をかき鳴らす。その音の大きさから自分が盛大に潮を吹いてしまったのだとようやく気づく。先生が最初に導尿していなければ、それこそ海ができてしまう程に悲惨なことになっていたのだろう。

「あぁそうだ。すっかり忘れていました。」

 突然先生は手を離し、スタスタとどこかに行ってしまう。俯せの私には良く見えないが、なにやらガサガサとやっているのが聞こえる。数分も経たない内に戻ってきた先生は、私に取ってきた獲物を見せびらかす様に眼前に持ってくる。

「どうです? よく撮れているでしょう。傷物の割には中々性能いいですね、これ。」

「そんな…どうして…」

 隠したはずのビデオカメラが、私の目の前にある。

 長方形の液晶画面には、ついさっきまでの私達が写り込んでいる。涎を垂らしながら気持ち良さそうに悶える私。それを見て悦に浸りながら穢し続ける先生。その全てが第三者の目を通してはっきりと記録されている。

「いやね、お金をポケットに入れた時に妙にお札が少ないなぁと思いましてね。一万円以上の買い物をしてきた割には手ぶらですし変だなぁと辺りを見渡していたら、何と本棚に見慣れぬカメラがあるじゃないですか。これには流石に驚きましたよ。」

「…いや…返して…」

 手を伸ばそうにも度重なる腰砕けのせいで身体が動かない。全身から血の気が退いていき、代わりに絶望という暗く冷たい泥が流れ込んでくる。唯一の希望の光は悪魔の手に渡り、無慈悲にも淀み潰えてしまった。
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