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聖愛執信、或いは心中サアカスと惑溺のグランギニョル
第6章 心中サアカスと惑溺のグランギニョル
「かわいい!」
「云いながら脱がすのかい、君」
「かわいいからぬがすの」

 わかんないの。

 薔薇を模した釦を外し、襟をひろげ、袖から腕を抜き。

 拙いながらも一生懸命な動作は、矢張りかわいい。愛でる可しと書いて可愛い、と云う意味を、漸く理解できたような気がする。観察しているうちに、いつの間にかリオは一糸纏わぬ姿になっていた。何故だか急に胸の底から羞恥心が湧き、からだに血が廻る。

 石鹸よりも真白で、陶器のように硬そうな、肌。
 関節だけがほんのりと、血の色を透かしている。
 手も足も、やたらめったら真直ぐで、折れそうなほどに細い。

「かわいくって、きれいなからだ」

 髪と眉と睫毛とをのこして、リオのからだのありとあらゆる毛は、執念に近いそれを持ってすべて抜かれ、すぐに香油を塗られていたため、おそらく生えてくることはない。それも相まって、まさに人形であるような姿である。

 人形のようなのに、やはりからだの節々は艶やかな紅色。
 人形のようなのに、人形にはなれない少女。
 それでも、少しでもそうあれるように、持ち主によって、丁寧に、丁寧に、整えられたからだ。

「すごい」
「……まあね」

 元からうつくしい人間と、私は違うからね。

 紅に充血したくちびるが曲がり、皮肉な台詞を吐き出すけれど、細くて薄温かい指は、陽色の髪をそうっと撫でていた。

 お返しとばかりに、陽色は、華奢な細腕に似合わぬ力で、リオの足を強引に割り開いた。

 流石に予想外であったのか、リオは慌てたように真黒い髪を引っ張るけれども、陽色はじっと、秘められた部分を見ていた。

 毛穴ひとつ見えぬ白い肌に相応しく、ぴったりと閉じて、柔らかな内臓を秘した、淡い桃色。半熟の水蜜桃を思わせるそこは、これからの行為への期待か、不安か、ほんの少しだけ、湿っている。

 陽色はそうっと、そこに触れた。ひゃ、と、悲鳴じみた声が上がる。

「ふあ、あ、ごめ、なさ、いきなり触って、いたかった、」
「い、いや、何だか、羽毛でくすぐられているみたいで、不思議な感覚で、」

 それは間違いなく事実なのだが、陽色は信じていないようだ。ごめんなさい、濡れてないのにいきなり触ったら、痛いよね、等と、知ったくちをきく。
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