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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第5章 しょくじ/ドM向け
「陽色、私の可愛い陽色、さあ、どれから食べたい? 」

 豪華な食卓を前に、リオは云った。焼きたてのパン、コンソメ、仔牛の肉を香草と焼いたもの、雉胸肉の生姜焼き、籠に盛り上げられた果物。一度に食卓に並べて、麗しい金色の薔薇は花ひらくように微笑んで見せた。

「ふあ……さ、冷めないうちに、お肉から、」
「お腹が空いているのだものね」

 食べ盛りであることを喜ばしいこととする柔らかな声音で云い、リオはナイフを美しく使って肉の塊を切り分けた。

 食卓はふたりで使うと持て余す程度には広いのに、リオは陽色の隣に座っている。肉の一切れに銀のフォークに刺し、それは陽色の目の前を通り過ぎ、リオのくちびるの中におさまった。リオが咀嚼して、繊維が断ち切られ、崩れた肉が陽色に与えられる。

「ん、はふ、」

 顎を掴まれて口移しされる肉を受け止める。リオの舌は、陽色の歯列や上顎を悪戯になぞった。もどかしく肉の残りを強請るように舌を伸ばすと、嬉しそうに目を細めて、意地悪く頰に溜めていた肉をくれる。

「おいしい?」
「は、ぁ、うん、もっと、」
「そう。好き嫌いせず食べるのだよ」

 嫌いなものはそう多くないが、そんなことは関係なく、陽色はリオに与えられるものを食す。
 陽色は羽根が生えかわる前、柔らかく白い羽毛を持つ、抱き心地のよい雛でいなければならなかった。

 付け合わせの野菜が噛み砕かれ、生温かくなって陽色の口へ移される。もちろん陽色は一般的な感覚をもつ人間であるので、忌避感がないわけではない。それでも、誰もが崇拝せずにはいられないような、この恐ろしく美しい女帝のくちびるに触れ、あまつさえ餌を与えてもらえるのだ。

 彼女の寵愛を甘受せよ。
 それはこの上なく幸福なことなのである。
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