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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第5章 しょくじ/ドM向け
「咽せないように、ゆっくりと。焦らずともくれてやるのだから」

 水は少しずつ与えられる。服を濡らさないようにナプキンを顎の下にあてがって、リオは小分けにしながら陽色のくちびるを食んだ。いつも目は閉じていて、開けなさいと云われたら開ける。リオはときどき意地悪をして、ただのキスをした。陽色が与えられるものを探るように舌を動かすと面白そうにして、機嫌がよくなる。

 舌を吸われて、脳がどろりと融けた。__気を、抜いていた。まずいかもしれない、そう思うのと、リオが気付くのは同時だった。

「……君は食事をしながら盛るようなお行儀の悪い子だったの?」

 陽色の全てを甘やかす声音が急に冷ややかになり、食器を置く音が鋭く耳を突いた。ゆっくりと、少しでも猶予を貰おうと浅ましい考えで、目蓋を持ち上げる。

 リオが頬杖をついて陽色を見ていた。
 __正しくは、張り詰めた陽色の股間を。
 赤く充血したくちびるに湛えられていた、柔らかでうつくしい微笑みが、すうっと消え去る。陽色はさっと顔を青ざめさせた。

「あ、ぅ……、こ、れはっ、」
「食事をしているだけなのに、どうしてこうなってしまうのだろうね? 呆れた。君はいやらしい子だねえ……」

 リオが云うなら、陽色はいやらしくて情けない男なのだ。憧れのリオが愛撫の一環みたいに舌を絡ませたって、太腿の際どいところを撫でていたって、性の部分を反応させる陽色が短絡的で愚かしいのだ。

「ご、ごめんなさい……」
「子供のような謝り方をするんじゃない」

 おれを子供にするのはリオだよ。
 云い返すことに意味はないので黙っている。唇を噛み、求められた通りに云う。

「ご、ご主人さまとのお食事の最中に、勝手に気持ちよくなって、ごめんなさい……」
「仕方のない子。その汚らしいのを処理してやるから脱ぎなさい」
「は、い……」

 陽色は彼女の膝の上に乗り、粗相をした幼子のふりをする。

 リオは、これはいやらしい行為ではないと云う。
 そう考える陽色がおかしいのだと、そう云う。

 舌舐めずりをしながら手を伸ばすリオを、涙に滲む視界で見た。

 毒婦の指先は、幼子を抱くマリアの指。この塔では、彼女だけが正しい。
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