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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第2章 きじょうい
 リオは陽色が、自分の中に、さらに奥まで入り込みそうになるのが、怖い、らしい。その時の頭が真っ白になるような快楽で、そのまま壊れてしまいそうになるのが怖いのだとも。そもそも彼女がここまで感じるようになったのは、陽色が丹念に慣らし、開発していったせいなのだから。もういっそそのまま堕ちていって、何も考えられなくなってしまばいい、とさえ思う。

 怯えながら、もう己ではもう腰を動かすことができずにいるリオの胸を鷲掴み、大きく腰を突き上げた。

「ひ、ぃ、……あッ、!」

 そのままゆっくりと奥まで押し込むように揺さぶれば、声も出ないほどの快楽に、リオの背が大きく反り返る。途端に彼女の中に包まれた陰茎がきつく締められて、陽色はそれに逆らうことなく欲望を吐き出す。

「ぁ、あ、あ、ッ……! あッ!」

 その熱さと、彼女が恐れていた思考を停止させるほどの快楽に、リオが髪を振り乱し体を痙攣させる。奥の、さらに奥に浴びた精液に感じ入る彼女が何よりも愛おしい。

 これだけ中に出したら、彼女は孕むのだろうか。

 その時は、恐ろしくもある。化け物と化け物の血を継いで生まれた子は、果たして今の帝都で、生きてゆけるのか。同時に、ほんの少しだけ、待ち遠しい。金の髪と紅いひとみを持った子が生まれるのは、少しだけ。

 陽色はそうっと彼女の胸に触れた。とくとく。心臓の音がした。
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