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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第3章 やきなおし
 ようやくたどり着いた。

 そう思っても罰は当たらないであろう。リオは思う。基本的根本的抜本的に多情で頭に血がのぼりやすくのぼったままなかなか降りてこられずむしろのぼり放しで死ぬような己と、この子は違うのだ。

 いくらこの子がリオのことを好いて、好んで抱きついて寄り添ってすり寄って、だいすきだよう、とあまえてきたとしても、その、だいすき、の温度が如何ほどであるのか、見極めは慎重を要した。

 この子の好意を疑っているのではない。むしろ一種の恐れを抱く程度には、愛されている自覚がある。ただ、好意の表現方法が、段階が、程度が、己とまったく違うだけだ。まったく違うのに、あまりにもこの子がわかりやすくて熱っぽいから、つい先走ってしまうのがリオなのだ。

 だけれど、もう、たどり着いたのだから良い。やっと己らは同じ場所にたどり着いた。同じ地平と云うか、同じ世界と云うか、もう少し直接的に表現すれば、同じ寝台に。
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