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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
「どうして……ラウル団長とカミリアが……?」
 ラートの話が本当なら、ふたりはそれぞれ違う任務をしに出ているはずだ。時々一緒になることがあると聞いたが、ここにいるのは明らかにおかしい。
 ハーディはカミリアがラウルにエスコートされ、馬車に乗っていたのを思い出し、ひとつの答えにたどり着く。

 別の任務というのは嘘だった。
 100歩譲って、それが嘘でもいい。きっと事情があったのだろう。許せないのは、さっきのカミリアの目。ラウルを見上げるカミリアの目は、恋する乙女の目だった。

『男なんて女を奴隷か何かと勘違いしてる最低な生き物よ』
『恋愛? 要は他人への依存でしょう? 私は誰にも依存しない。そんな弱い人間になりたくない』
 カミリアの言葉が脳裏に過ぎる。その言葉でつけられた心の傷がうずく。

 騎士ごっこをする少年達から守ってくれたカミリア、剣技や勉強が誰よりも出来て、ハーディの憧れであり、自慢の親友だった。そう、思い込み続けていた。
 ストレートの美しいブロンド、目を引く美貌、健全な精神と肉体……。カミリアのすべてに憧れていた。だがその憧れは、妬みを隠すためのメッキに過ぎなかった。

 癖っ毛の醜い黒髪、そばかすがある地味な顔、どこまでも卑屈な心……。どれを取ってもカミリアに劣っていた。そんな自分が大嫌いだった。カミリアに夢中になることで忘れていたものが、濁流のように押し寄せる。

 自警団時代に好きだった先輩は、ハーディに見向きもせず、カミリアばかり見ていた。彼が心の底からカミリアを愛し、守りたいと思っているのは、痛いほど伝わった。
 悔しかったが、仕方ないという気持ちが大きかった。自分よりカミリアの方が美しい。強くて賢い。すべて彼女の方が優れているのだから、先輩がカミリアを好きになるのは当然のことだ。自分は身を引き、カミリアに恋の素晴らしさを知ってもらおうと思った。

 だがカミリアは先輩をフッてしまった。それだけならまだしも、彼を暴漢呼ばわりして騒ぎ立てた。そのせいで先輩は自警団から追放されてしまった。彼は自警団だけでなく、街からも追放された。カミリアはそのことを知らずに生きている。
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