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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
 ソファに座って待っていると、品のいい女性がワゴンを押して入ってくる。初めて会うのに、どこかで見たことがある気がしてならない。
(前に護衛した貴族? でも、貴族が自分で紅茶を淹れるかしら?)
 カミリアはどこで会ったのか思い出そうと、紅茶を淹れてくれる貴夫人の横顔を見つめる。するとラウルが軽く小突き、カミリアの耳元に唇を寄せる。

「彼女は昨日の舞踏会で挨拶したアムゼル夫人だよ」
 昨日は仮面をつけていたため、気づかなかったが、言われてみれば昨日ラウルと談笑をしていたアムゼル夫人の面影がある。
「シャムス1美味しいお紅茶よ。スコーンは私が焼いたの。どうぞ食べて」
 アムゼル夫人は柔らかな笑みを浮かべ、ふたりの前に紅茶とスコーンを並べる。カミリアが礼を言おうとアムゼル夫人を見ると、彼女は優しい目でカミリアを見つめていた。

「昨日は仮面をしていて分かりづらかったけど、美しいお嬢さんねぇ。きっと心も綺麗なのでしょう。こんなに素敵な女性と出会えて、あなたはついているわ」
「えぇ、ソニアは本当に素晴らしい女性ですよ。アムゼル夫人、こちらをどうぞ」
 ラウルはバスケットをアムゼル夫人に手渡した。彼女がかぶせ布をどかすと、ワインボトルが顔を出した。ここからではよく見えないが、生ハムらしきものも入っている。

「まぁ、こんなにはやく約束を果たしてもらえるだなんて、思ってもみなかったわ。ありがとう。後で主人といただくわ」
 アムゼル夫人はかぶせ布を元に戻すと、自分の隣にバスケットを置いた。それから3人は、次の来客が来るまで談笑を楽しんだ。アムゼル夫人はとても気さくな人で、カミリアにも分かるような話を振ってくれた。特に、彼女の夫であるアムゼル伯爵との思い出話はどれも素敵なものばかりで、今まで恋愛に興味を示さなかったカミリアも惹きこまれた。
 アムゼル夫人の話を聞いているうちに、本物の愛も確かに存在するのだと認知するほどに。
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