この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第5章 5章 陰謀渦巻く舞踏会
(あれだけ自分を嫌っている人がいるんだから、疲れてるんだわ)
 気にしないようにしていたが、耳を澄ませるとふたりの悪口を言っているのが聞こえる。カミリアはこうしてリュゼに助けられて気持ちが楽になったが、彼女は今までずっとひとりで耐えてきたはずだ。
 カミリアは、少しでもリュゼの力になりたいと思った。

 ふたりは時間になるまで、雑談を楽しんだ。リュゼは自分の体験談を混じえ、舞踏会や晩餐会で気をつけるべきことや、男性のあしらい方などを教えてくれた。彼女の話は面白くて、カミリアはすっかり聞き入っていた。
 時間になったことを使用人が知らせに来ると、リュゼはとびきりの笑顔をカミリアに向けた。
「ソニア、何か困ったことがあったらいつでも聞いてね。明日、舞踏会場で会いましょう」
「ありがとう、リュゼ。とても心強いわ」
 別れの挨拶を交わすと、リュゼは先に部屋を出た。カミリアはここでラウルを待つことになっているため、椅子に座り直す。

 ご令嬢達がほとんどいなくなった頃、ようやくラウルが迎えに来てくれた。彼の元へ行こうとすると、黒髪の令嬢に呼び止められた。気弱そうな顔は、昔のハーディにどことなく似ている。
「あの、リュゼには気をつけて」
「どういうこと?」
 黒髪の令嬢は何も答えず、うつむき加減で部屋を出ていった。カミリアはリュゼを僻んだ彼女達の嫌がらせだろうと思い、聞き流すことにした。

 屋敷に帰って湯浴みを終えると、ラウルとお茶を飲みながら話をする。
「今日の晩餐会、どうだった? ほら、食事が終わった後、女性だけ別室に行っただろう? 嫌がらせとかされなかった?」
「悪口を言う人達はいたけど、リュゼって子がいてくれたから大丈夫。とても優しくて、頼りになる子なの」
「そっか、いい友達が出来たようで安心したよ」
(友達、か……)
 友達という言葉に胸があたたかくなる。負けず嫌いで男勝りな性格から、友達はハーディしかいなかった。ハーディさえいてくれればいいと思っていたが、新しい友達ができるのは喜ばしいことだ。
/182ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ