この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第6章 6章 光と影
「ラウル……」
 カミリアは今朝もらったばかりのネックレスを手に取る。大きな宝玉が、ランタンの光を反射して輝いた。ラウルはお守りにとこのネックレスを渡した。それなら、生き残るために使っても問題ないはずだ。それに、回収できる可能性は高い。
 何より、この想いを伝えずに死ねない。少し前まではラウルへの想いは胸に秘めておこうと思っていたが、こうして命の危機に瀕して、想いを伝えなければ後悔すると悟った。
 ラウルはサウラの禁断の恋を叶えるためにも、両国を変える必要があると言っていた。それなら、自分達の恋も叶うはず。ラウルなら、きっとそんな未来を切り開いてくれる。都合のいい解釈かもしれないが、生存本能がその考えを確かな未来と錯覚させた。

「ラウル、私を助けて……」
 カミリアはネックレスを外すと、両手で握って祈りを捧げる。その間にも水は徐々に増えていき、へそのあたりまで来ていた。
 カミリアはネックレスのチェーンをサテンのロープに縛り付けると、振り回してフックめがけて投げた。ネックレスがランタンをかすめ、落ちてくる。カミリアは水没する寸前で、ネックレスをキャッチした。宝玉に小さな傷ができてしまい、心が苦しい。

「落ち込む必要なんてない。ロープがフックに届くって分かっただけで無駄じゃなかったんだから」
 カミリアは自分に言い聞かせて気持ちを奮い立たせると、何度もロープを投げた。水が胸まで来た頃、ようやくフックにサテンのロープが巻きついた。
「まずは第一段階クリア。ここからが勝負ね……」
 深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、目を閉じて記憶を辿っていく。思い出すのは、子供の頃の記憶。

 泳げないカミリアに、せめて浮くことができるようにと、ハーディが一生懸命教えてくれた。
『溺れかけても焦って手足をバタバタさせちゃダメ。身体の力をぬいて浮くの。怖がらないで」
 再び深呼吸をすると、カミリアは足を離した。ダラリと力を抜くと、身体が浮き上がってくる。
/182ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ